彼女がこちらを振り返った時、サ
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下一篇 2018-07-20 16:15:23
彼女がこちらを振り返った時、サキカはようやく我に返った。見惚れてしまっていたらしい。 わずかに火照った頬をどう隠そうかと考えていると、彼女は使い終えたナイフを魔法で綺麗に
Prewedding 香港て、タルト一切れと共にサキカの元へと持ってきてくれた。「ありがとうございます」「いえ……」 頬を紅潮させて照れたように微笑む彼女は、何とも可
愛らしい。 受け取ったナイフを“ボックス”へと仕舞い、彼女がソファーに座ったところで、サキカは口を開いた。「さて……どこから話しましょうか」 正直なところ、どこから話すべきか迷っている。アンドリューを除く五人はサキカが産みの親に捨てられたということを知っている。しかし、アンドリューは知らないのだ。もう一度そこから話せば、五人が暇するだろう。「……君には何らかの理由でご両親がいないことは気がついている。しかし、僕はその経緯を知らない。できることなら彼らの知っている内容も含めて話してはくれないだろうか」 アンドリューの褐色の瞳が、真っ直ぐにサキカを見つめていた。紅茶を飲んでいた有舞が賛同するように頷く。「経緯(いきさつ)は聞いたけど理由は聞いてないわ。しっかりと話なさい」 命令口調の彼女に苦笑いしつつ、サキカはゆっくりと話し始めた。.
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