そしてまた、サキカが口を開いた。「……

上一篇 / 下一篇  2018-04-15 21:29:30

そしてまた、サキカが口を開いた。「……僕は貴女を恨んでもいませんし、怒ってもいません」母は戸惑ったような表情を浮かべる。母からすれば疑問だろう。自分達は一年もサキカを醫美醫生待した挙げ句、東の国の森の奥深くに捨てたのだから。「なんで……?私達は貴方にあんなに酷いことをして、最後には捨てたのよ……?」サキカは再び俯くと、ゆっくりと言葉を紡いだ。「……捨てられたばかりのころは、貴女達を恨んでいました。ですが、それは段々と他の感情に埋め尽くされていって……」俯いたサキカの瞳から、小さな雫が頬を伝わり、顎を伝って、きつく握られていたサキカの手の甲へと落ちる。誰かが息を呑んだ音が、妙に響いた。「……ずっと寂しかった。僕を拾ってくださった方は、僕を大切に育ててきてくださった。……こんな僕を、してさえくださった。ですが、それでも……、それでも寂しかった」今まで心の奥底へ押しやっていた気持ちが溢れ出す。――こんなことを話すつもりではなかった。恨んでいない、怒ってもいないということを伝えるだけのつもりだった。しかし、今まで溜め込んでいた負の感情は、洪水のように溢れ出し、それは言葉となってとめどなく湧き出て来る。そして、不意に気がつく。――先程、母を怒鳴り付けてしまったのは、母親に対する反抗期の子供が抱くような感情からだったのだと。母を困らせて、自分をもっと見てほしいという子供っぽいアピールを、無意識のうちにしていたのだと。(僕は……、まだまだ子供ですね……)考えれば考えるほどに、自虐的な気持ちに襲われた。「サキカ……」ガイアの心配そうな呟きが聞こえる。しかし、今のサキカには、それに答えるほどの余裕はなかった。.


TAG:

 

評分:0

我來說兩句

顯示全部

:loveliness: :handshake :victory: :funk: :time: :kiss: :call: :hug: :lol :'( :Q :L ;P :$ :P :o :@ :D :( :)

我的欄目

日曆

« 2018-07-23  
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293031    

數據統計

  • 訪問量: 3511
  • 日誌數: 61
  • 建立時間: 2017-12-19
  • 更新時間: 2018-07-20

RSS訂閱

Open Toolbar